秋といえば食欲の秋!丹波篠山市内でも10月はさまざまな食の祭典が催されています。
本著は、世界中のあらゆる料理の屋台が揃う食のお祭り〔ぐるフェス〕に関わる人々の人生模様を描く5編の物語です。音楽への夢を捨てきれないまま全く異なる職種に就き悩む青年、性格が正反対の姉妹と頑固な父親、出店を任されたものの名物ラーメンの味を再現できない従業員、自分の大ファンだという女子中学生との出会いに戸惑う崖っぷちアイドル、50歳後半でリストラされたことで高齢の母親に向きあう男性。夢、家族、仕事、才能、介護・・・それぞれに悩みを抱えた登場人物たちが、生きていくために大切な“食”を通じて少しだけ前を向いていきます。
おいしいものを食べると心も体も元気になる。それは全ての人に当てはまることなのかもしれません。おいしくてちょっぴりほろ苦い、心温まる人生応援物語です。
(石丸)